■投資状況
●買付日:2025/10
●保有株数:100株
●取得単価:816.5円
■購入理由
高配当で割安。更に、王子HDのホームページに上がっている
以下のニュースを見て打診買いしました。
国内社有林の経済価値評価の結果と定量化プロジェクトについて↓

林野庁「森林の公益的機能の評価額について」の手法をもとに、
国内の「王子の森(約18.8万ha)」について、
経済価値を算出したところ、価値総額が年間約5,500億円という結果になったとのこと。
※王子の森:王子HDの社有林
現時点では利益貢献は限定的ですが、社有林の経済価値が可視化された点は大きな一歩。
長期的には企業価値の裏付けとなる可能性があり、応援したくなりました。
ちなみに社有林を注目している人はまだ少ないのではないかと、
ネットを調べたところ、私の心の師匠、楽天証券の窪田さんが、
今年(2025年)の7月にYouTubeで動画を出されていました。。
↓↓↓
窪田さんの動画は欠かさず見ていたつもりでしたが、
見逃していました。
この時気づいていれば、もっと安く買えたなと。。
※なお、その後8月に発表された1Qは赤字でしたが、
王子HDは通期業績予想を据え置いており、
価格転嫁や海外拠点の回復などを見込んでいる可能性があります。
また、旧村上ファンドのフォルティスが3月に大株主として登場した影響で、
自社株買い等、株主還元に積極的になり、買われている状況と思われます。
■会社概要
王子ホールディングス株式会社は、紙・パルプを中心とした総合素材メーカーであり、
2023年の紙・パルプ関連売上高では世界5位、国内1位の規模を誇ります。
海外売上比率は40.8%(2024年度実績)と、グローバル展開も積極的です。
また、社有林面積は約63.5万ヘクタール(国内:約18.8万ha)と国内最大級で、
森林資源を活用した木質バイオマス事業やサステナブルパッケージ事業にも注力しています。
※木質バイオマス事業について
2025年5月には鳥取県米子工場にて、日本最大級の木質由来糖液・エタノールの
パイロットプラントが竣工。
年間3,000トンの糖液、1,000KLのエタノール生産能力を持ち、
2030年度の事業化を目指して実証実験が進行中です。
これは、石油由来から木質バイオマス由来への転換を目指す、
王子HDの挑戦の象徴とも言えます。
紙から素材・エネルギー事業へと進化を続けており、老舗ながらも変革意欲を感じます。
創業は1873年、渋沢栄一の主導により設立された抄紙会社が前身。
1949年、GHQの企業再編により旧王子製紙は分割され、苫小牧製紙・本州製紙・十條製紙に。
その後、苫小牧製紙と本州製紙が再合併して王子製紙となり、現在の王子HDに至ります。
なお、十條製紙は現在の日本製紙の前身です。
■王子ホールディングス(株)(東証PRM、3861)の主な指標(2025/10/29現在)
● 株価 :782.9円
● PER :10.99倍(割安水準)
● PBR : 0.66倍(純資産割れ、割安感あり)
● ROE : 6.01%(やや低い)
● 1株配当(予想) :36.0円
● 配当利回り(予想) :4.60%(高配当)
● 時価総額:7,941億円
王子HDはPBR・PERともに割安水準で、配当利回りも4%超と高水準。
一方でROEは6%台とやや低めですが、中期経営計画では2027年度に
ROE8.0%を目標としており、資本効率の改善に取り組んでいます。
■株主優待
権利確定月 3月末日・9月末日
<9月末>
5,000株以上 ①植林活動応援イベント
「王子の森」へのメッセージを記入・返送すると、
木製プレートの枚数に応じて苗木を植樹。
王子グループが責任を持って森林保全に取り組みます。
②王子ホール主催コンサートへの招待(年複数回・抽選制)
ご希望される株主様の中から、抽選でご招待
<3月末>
1,000株以上・継続保有半年以上の株主対象
王子ネピアの商品セットから選べる「カタログギフト券」を贈呈。
日用品としての実用性も高く、人気の優待です。
私は100株保有なので貰えませんが、余裕資金ができれば
株価と業績を見ながら買い増しを検討したいと思っています。
■配当金推移
| 年度 | 中間(円) | 期末(円) | 合計(円) | 配当性向(%) |
| 2017年3月期 | 5 | 5 | 10 | 24.6% |
| 2018年3月期 | 5 | 5 | 10 | 27.3% |
| 2019年3月期 | 6 | 6 | 12 | 22.8% |
| 2020年3月期 | 7 | 7 | 14 | 23.8% |
| 2021年3月期 | 7 | 7 | 14 | 27.9% |
| 2022年3月期 | 7 | 7 | 14 | 15.9% |
| 2023年3月期 | 8 | 8 | 16 | 28.1% |
| 2024年3月期 | 8 | 8 | 16 | 31.2% |
| 2025年3月期 | 12 | 12 | 24 | 50.7% |
| 2026年3月期(予) | 18 | 18 | 36 | 51.0% |
王子HDは安定した配当を維持しつつ、2025年度からは配当性向を
従来の30%から50%へ引き上げ。
これにより、株主還元の強化が明確に打ち出されています。
2026年度も増配予想となっており、
中期経営計画に沿った還元姿勢が継続される見込みです。
■業績推移
| 年度 | 売上(兆円) | 営利(億円) | 当期利益(億円) |
| 2017年3月期 | 1.44 | 702 | 403 |
| 2018年3月期 | 1.49 | 708 | 362 |
| 2019年3月期 | 1.55 | 1102 | 520 |
| 2020年3月期 | 1.51 | 1061 | 582 |
| 2021年3月期 | 1.36 | 848 | 496 |
| 2022年3月期 | 1.47 | 1201 | 875 |
| 2023年3月期 | 1.71 | 848 | 565 |
| 2024年3月期 | 1.7 | 726 | 508 |
| 2025年3月期 | 1.85 | 677 | 462 |
| 2026年3月期(予) | 1.9 | 750 | 650 |
売上は右肩上がりの傾向が続いていますが、利益は年度によって波があり、
2022年の高収益期以降はやや減速傾向にあります。
2026年3月期 第1四半期(2025/8/4発表)
●売上:前年比 +4.4%
●営業利益:前年比 ▲74.5%
●純利益:赤字(▲51億円)
海外パルプ市況の悪化、為替差損、原材料コスト上昇などが響き、
売上は増加したものの、利益面では赤字転落という厳しいスタートとなりました。
王子HDは通期予想を据え置いており、 価格転嫁や海外拠点の回復による
挽回を見込んでいる可能性があります。
今後の四半期決算(※第2四半期は11月7日発表予定)に注目です。
■財務状況(2025/03期)
●自己資本比率:41.8%
●総資産:2.64兆円
●純資産:1.13兆円
●有利子負債:9,034億円
王子HDの自己資本比率は業界平均(約50%)よりやや低めですが、
これは設備投資や海外展開を進める戦略的な財務運営によるものと考えられます。
私はこの水準(41.8%)は十分に健全で、問題ないと判断しています。
特に、資産規模が大きく、純資産も1兆円超と厚みがあるため、
財務基盤としては安定している印象です。
ちなみに同業の日本製紙は自己資本比率28.3%、レンゴーは37.3%。
■政策保有株式や退職給付信託株式といった保有株式について
王子HDは中期経営計画2027において、保有株式の整理を財務戦略の柱のひとつとしています。
●2024〜2027年度の3年間で660億円を売却予定
●2030年までに累計1,200億円の売却を目指す
これは、政策保有株式や退職給付信託株式などの非コア資産の圧縮による
資本効率改善を目的としたものです。
なお、2025年3月期決算短信によると、
2024年3月末時点の「投資有価証券」は2,178億円。
このうち半分以上が2030年までに売却される見込みであり、
株主還元や成長投資に資金を振り向ける余地が広がると考えられます。
■投資判断とまとめ
直近では、アクティビストの動向や、会社予想通りに今期業績を
挽回できるかが注目ポイントです。
特に第1四半期は赤字スタートとなっており、
価格転嫁や海外拠点の回復が鍵となりそうです。
一方で、王子HDは森林資源を活かした木質バイオマス事業や
サステナブルパッケージ事業など、 環境課題に向き合う事業を展開しており、
長期的には社会に必要とされる企業だと感じています。
私は現在100株保有していますが、株価や業績を見ながら、
余裕資金ができれば買い増しを検討したいと思っています。

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