セントケアHD(2374)をMBO発表で売却した資金で、
次に選んだのはメディカル一光グループ(3353)。
割安感の強さに加え、増配方針が明確になった点を評価し、
長期のインカムゲイン狙いで新規購入しました。
本記事では、購入理由・業績・財務・リスク要因まで、
メディカル一光Gに投資した背景を整理します。
■投資状況
●買付日:2025/11
●保有株数:100株
●取得単価:2,734円
配当を受け取りつつ、事業と株主還元の拡大を長期で見守っていく方針です。
■購入理由
セントケアHDのMBO発表を受けて保有株を売却。
その資金を活用し「同業×安定×割安」の条件を満たす
メディカル一光Gへ振り向けました。
選定理由は次の通りです:
●PER・PBRともに割安感が非常に強い
●配当利回り4%超の高水準+増配方針が明確に強化
●調剤薬局+介護で景気に左右されにくい安定収益モデル
●M&Aによる店舗拡大で売上が着実に成長中
割安・高配当でありながら、事業の安定性と成長性も兼ね備えた
堅実なバリュー株という印象です。
■会社概要
株式会社メディカル一光グループ(東証スタンダード:3353)は、
三重県を拠点に以下の5つの事業を展開しています。
●調剤薬局事業
●ヘルスケア事業(介護施設運営など)
●医薬品卸事業
●不動産事業
●その他関連事業
特筆すべきは、イオン株式会社が約25%の株式を保有しており、
資本提携関係にある点です。これにより、安定した経営基盤と
グループ間連携によるシナジーが期待されています。
■(株)メディカル一光グループ(東証STD、3353)の
主な指標(2025/11/21現在)
● 株価 :2,670円
● PER :8.04倍(割安水準)
● PBR :0.68倍(純資産割れ、割安感あり)
● ROE :8.46%(標準的)
● 1株配当(予想) :120.0円
● 配当利回り(予想) :4.49%(高配当)
● 時価総額:101億円
PER・PBRともに割安水準で、配当利回りも4%超と高水準。
ROEも8%を超えておりまずまずです。
中小型株ながら、財務指標からは安定感と株主還元姿勢がうかがえます。
■配当金推移
| 年度 | 中間(円) | 期末(円) | 合計(円) | 分割調整(円) | 配当性向(%) |
| 2017年2月期 | 36 | 40 | 76 | 38 | 15.2% |
| 2018年2月期 | 40 | 40 | 80 | 40 | 12.4% |
| 2019年2月期 | 40 | 40 | 80 | 40 | 21.5% |
| 2020年2月期 | 40 | 45 | 85 | 42.5 | 20.2% |
| 2021年2月期 | 40 | 40 | 80 | 40 | 18.1% |
| 2022年2月期 | 20 | 20 | 40 | 40 | 17.6% |
| 2023年2月期 | 20 | 20 | 40 | 40 | 19.8% |
| 2024年2月期 | 20 | 25 | 45 | 45 | 16.3% |
| 2025年2月期 | 25 | 40 | 65 | 65 | 21.6% |
| 2026年2月期(予) | 60 | 60 | 120 | 120 | 36.2% |
※2021年3月1日、株式2分割
2025年4月4日に発表された中期経営計画では、
配当方針が以下のように変更されました:
●【従 前】配当性向20%を目安に検討
●【2026年2月期以降】配当性向35%以上を目指す
これにより、今期から大幅な増配が予定されており、
株主還元姿勢が一段と強化されています。
■業績推移
| 年度 | 売上(億円) | 営利(億円) | 当期利益(億円) |
| 2017年2月期 | 295 | 12 | 9.56 |
| 2018年2月期 | 309 | 14.1 | 12.4 |
| 2019年2月期 | 312 | 10.4 | 7.12 |
| 2020年2月期 | 320 | 12 | 8.02 |
| 2021年2月期 | 316 | 10.3 | 8.35 |
| 2022年2月期 | 336 | 12.8 | 8.52 |
| 2023年2月期 | 339 | 9.35 | 7.6 |
| 2024年2月期 | 399 | 15.6 | 10.4 |
| 2025年2月期 | 484 | 16.9 | 11.3 |
| 2026年2月期(予) | 530 | 16 | 12.5 |
売上は長期的に緩やかな増加傾向でしたが、近年はM&Aの積極推進により
増加スピードが加速しています。
利益面は一時的に停滞していたものの、直近では堅調な回復傾向が見られます。
2026年2月期 第2四半期(2025/10/6発表)
●売上:前年比 +18.8%
●営業利益:前年比 ▲10.2%
●純利益:前年比 ▲6.0%
M&Aによる売上増加が目立つ一方で、関連費用の先行発生により
利益は一時的に減少。
取得後の効率化が進むと利益回復が見込めると思われ、
中期視点ではポジティブに見ています。
■財務状況(2025/02期)
●自己資本比率:41.2%
●総資産:342億円
●純資産:147億円
●有利子負債:98.4億円
自己資本比率は41.2%と、標準的で安定した水準。
財務面で特に懸念はなく、健全性は保たれていると見られます。
有利子負債も適度な水準に収まっており、資金調達のバランスも良好です。
■上場維持基準未達について
2025年2月末時点で、メディカル一光グループは東証スタンダード市場の
上場維持基準に未適合となっています。
流通株式比率が基準値25%を下回る20.6%であることが課題となっています。
ただし、企業側は既に以下のような改善策を実施しており、
状況は着実に前進していると見られます:
1.中期経営計画の策定:持続的な成長と企業価値の向上を目指す
2.株主還元方針の強化:配当性向を従来の20%から35%以上へ引き上げ
3.大株主による株式縮小:立会外分売を通じて流通株式の拡大を図る
4.自己株式の処分:市場への流通株式数を増やすための施策
これらの取り組みにより、上場維持基準の適合に向けた姿勢は明確であり、
今後の進捗にも注目が集まります。
■投資判断とまとめ
上場維持基準の適合状況には引き続き注視が必要ですが、
●安定した業績推移
●増配傾向と株主還元の強化
●配当利回り4%超の高水準
●PBR0.7倍未満という割安感
といった点から、中長期でのインカムゲイン狙いに適した銘柄と判断しています。
今後のM&Aの成果や、上場維持に向けた取り組みの進展を見守りつつ、
長期保有を前提に投資を継続したいと考えています。

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