品川リフラは国内耐火物市場の縮小を補うために、
海外展開と先端機材事業への投資を進めている構造です。
本記事では、品川リフラの現状と今後の成長可能性を、
財務・事業構造・投資家層の観点から整理します。
■保有状況
買付日 : 2022/04
数量 : 500株
取得単価 :724.0円
※2023年9月末を基準に5分割調整済み
■品川リフラとは
1875年(明治8年)、
民間として日本で初めて耐火れんがの製造として創業
祖業である耐火物事業だけでなく、断熱材事業、
ファインセラミックスを中心とする先端機材事業、
エンジニアリング事業といった、
幅広い事業分野で事業活動を展開
■主力の国内粗鋼向け耐火物の状況
●日本の粗鋼生産量は、1970~2000年代まで横ばいで、
2010年代から長期減少が続いている。
●耐火物の消費が多い高炉は減少傾向で、
消費の少ない電炉が増えてきている。
このように主力の粗鋼向け国内耐火物は厳しい戦いとなっており、
品川リフラは、生き残りをかけて、
M&Aによる海外や新分野への進出を進めています。
■品川リフラ(株)(東証PRM、5351)の主な指標(2026/7/27現在)
● 株価 :2,088円
● PER :9.53倍
● PBR :0.89倍
● ROE :9.34%
● 1株配当(予想):95円
● 配当利回り(予想):4.55%
● 時価総額:984.4億円
高配当で、PER、PBR共に割安。
ROEもまずまずで資本効率は良好です。
■配当金推移
| 年度 | 中間(円) | 期末(円) | 合計(円) | 分割調整(円) | 配当性向(%) |
| 2017年3月期 | 3 | 4 | 7 | 14 | 18.3% |
| 2018年3月期 | 3.5 | 45 | 48.5 | 16 | 21.9% |
| 2019年3月期 | 60 | 75 | 135 | 27 | 20.2% |
| 2020年3月期 | 65 | 65 | 130 | 26 | 21.9% |
| 2021年3月期 | 45 | 65 | 110 | 22 | 48.6% |
| 2022年3月期 | 95 | 95 | 190 | 38 | 33.5% |
| 2023年3月期 | 100 | 100 | 200 | 40 | 22.5% |
| 2024年3月期 | 160 | 36 | 196 | 68 | 20.7% |
| 2025年3月期 | 45 | 45 | 90 | 90 | 42.0% |
| 2026年3月期 | 45 | 45 | 90 | 90 | 15.7% |
| 2027年3月期(予) | 45 | 50 | 95 | 95 | 43.3% |
※2017年9月末の10:1株式併合、2023年9月末の1:5株式分割に伴い、
分割調整後の1株配当で記載・比較しています。
●配当方針の変更
2023年度まで:配当性向30%を基準
2024年度~:配当性向40%を基準
2026年度~:DOE4%以上累進配当を実施
●配当方針と実績の配当性向が一致しない理由
決算説明資料では「配当性向30〜40%を基準」と記載されていますが、
実績の配当性向はその数値と一致していません。
これは、会社が配当を決める際に
実績EPSだけではなく、調整後EPSや財務状況も考慮して
配当を決定していると考えられます。
品川リフラは近年、固定資産売却益や減損損失など一過性の損益が大きく、
EPSが毎年大きく変動します。
そのため、実績EPSを使った配当性向は指標として機能しません。
この状況を踏まえ、会社は2026年度から
DOE4%以上+累進配当へ方針を変更しています。
※調整後EPSとは、一過性の利益・損失を除いた本業ベースの利益を示す指標です。
■業績推移
| 年度 | 売上(億円) | 営利(億円) | 当期利益(億円) | EPS(円) |
| 2017年3月期 | 1037 | 63.4 | 36 | 76.42 |
| 2018年3月期 | 1027 | 60.5 | 34.2 | 72.97 |
| 2019年3月期 | 1191 | 102 | 62.3 | 133.32 |
| 2020年3月期 | 1190 | 96 | 55.5 | 118.86 |
| 2021年3月期 | 1000 | 72.9 | 21.1 | 45.25 |
| 2022年3月期 | 1108 | 101 | 53.1 | 113.55 |
| 2023年3月期 | 1250 | 108 | 83.1 | 177.59 |
| 2024年3月期 | 1442 | 139 | 153 | 328.44 |
| 2025年3月期 | 1441 | 133 | 97.8 | 214.47 |
| 2026年3月期 | 1777 | 136 | 261 | 571.44 |
| 2027年3月期(予) | 1890 | 130 | 100 | 219.14 |
近年、M&Aによる海外進出やセラミック等の
成長分野への参入をすすめており売上は増加傾向にあります。
営業利益は安定しており、本業の収益力は大きく崩れていません。
2026年3月期の純利益が大きいのは、
賃貸土地や賃貸不動産売却による利益です。
2027年3月期予想の営業利益が減少するのは
のれん等償却額の増加が影響しています。
海外売上比率は2024年度30.0%、
2025年度42.9%と順調に伸びています。
成長分野への参入は進めていますが、
直近では売上は横ばいであり、
今後の拡大が期待されます。
■財務状況(2026/3期)
●自己資本比率:46.1%
●総資産:2318億円
●純資産:1159億円
●有利子負債:390億円
自己資本比率は46.1%と問題ない水準です。
■投資家別の動き(あくまでも私の予想です)
現在の株主構成は、
「高配当投資家+収益バリュー投資家」が中心で、
モメンタム・短期勢はほぼ不在。
そのため株価は安定しやすいが、大きく動きにくい構造です。
◆資産バリュー投資家
◎ 離脱している可能性があります
(2025年度あるいは織り込まれた時に売却した可能性が高い)
理由
2025年度に賃貸不動産の約2/3を売却
譲渡益 372億円という巨大な一過性利益
隠れ資産の解消=資産バリューの源泉が消滅
資産バリュー投資家は
「隠れ資産があるうちに買い、顕在化したら売る」
という行動を取るので、2025年の売却で役割終了。
◆高配当投資家
◎ ガチホ継続(2019年以降の高配当銘柄として定着)
理由
2019年以降、配当利回りが高水準
2026年から DOE4%以上+累進配当へ移行
減配リスクが低い構造に変更
キャッシュフローが安定している
高配当投資家は「減配しない企業」を好むので、
この層は長期保有している可能性が高い。
◆収益バリュー投資家・成長投資家
◎ PER10倍割れが続き、長期保有している可能性が高い
理由
PER推移を見ると、2013年以降ほぼ10倍割れ
営業利益は安定している
海外展開・新分野(セラミック・高機能材)への期待
国内製鉄向けは縮小だが、海外比率が上昇
この層は「割安+将来の成長余地」を見るので、
長期保有している可能性が高い。
◆モメンタム投資家
◎ ほぼ不在
理由
株価が長期で横ばい〜緩やかに上下
大きなトレンドが出ていない
出来高が少ない
一過性の材料が少ない
モメンタム投資家は「上昇トレンドに乗る」ので、
品川リフラは対象外。
◆短期投資家
◎ ほぼ不在(出来高・時価総額が中規模)
理由
日々の出来高が少ない
板が薄い
ボラティリティが低い
短期勢が好む「材料株」ではない
短期勢は「動く株」を好むので、
品川リフラは主戦場ではない。
◆海外投資家
◎ 指数連動の買いは入るが、個別は限定的
理由
プライム上場 → TOPIX連動の買いは入る
ただし時価総額が小さく、流動性も低い
海外勢は「大型株・高流動性」を好む
耐火物というニッチ業種は海外勢の分析対象外
→ 指数連動の買いはあるが、個別はほぼ不在。
■投資判断とまとめ
2025年10月、創業150周年という節目に、
社名を「品川リフラ株式会社」に変更しました。
耐火物を意味する「リフラクトリーズ」から、
「リフラ」という造語に変更することで、
耐火物以外の断熱材事業、先端機材事業、
エンジニアリング事業等にも注力していることを表現しています。
「耐火物メーカー」というイメージから脱却し、
総合耐火・高機能材料メーカーとしてのブランドを打ち出す狙いがあります。
品川リフラは、生き残りをかけて、
M&Aによる海外や新分野への進出を進めています。
国内耐火物市場の縮小が続く中、
海外事業や先端機材事業をどこまで成長させられるかが、
今後の企業価値を左右すると考えています。
私は既に含み益があることもあり、
ゆっくり状況を観察していこうと思っています。
高配当と安定した財務を重視する方にとっては、
分散投資先の一つとして引き続き注目したい銘柄だと考えています。

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