東ソーは売上の45%を基礎素材が占める一方、利益の柱は水処理とバイオ。
市場が見落としがちな収益構造のズレが、この企業の面白さです。
この記事でわかること
①オルガノとバイオが実質的な利益柱
②基礎素材の役割
③配当100円下限の安全性
■保有状況
買付日 : 2022/12,2025/03(追加購入)
数量 : 200株
取得単価 : 1,816円
■東ソーとは
売上の45%:基礎素材(化学)
→ 市況産業で利益はほぼ出ていない
営業利益の40%:水処理(オルガノ[6368])
→ 半導体・データセンター向け純水装置が強い
高利益:バイオサイエンス
→ 抗体医薬・核酸医薬の精製に使う分離材が高利益
(※2025年度実績)
■東ソー(株)(東証PRM、4042)の主な指標(2026/7/31現在)
● 株価 :2,710.5円
● PER :14.22倍
● PBR :1.00倍
● ROE :7.03%
● 1株配当(予想):100円
● 配当利回り(予想):3.69%
● 時価総額:8,811億円
指標は平均的です。
東ソーは市場で過小評価されやすい企業です。
理由は:
●売上の半分が基礎素材(市況産業)で見た目が地味
●利益の柱が水処理・バイオ・誘導品で複雑
●市場では化学メーカーとして見られることが多く、
水処理やバイオの利益貢献が十分に評価されていない可能性があります。
●中東情勢で短期的な不確実性が高い
■配当金推移
| 年度 | 中間(円) | 期末(円) | 合計(円) | 分割調整(円) | 配当性向(%) |
| 2017年3月期 | 7.5 | 16.5 | 24 | 48 | 20.6% |
| 2018年3月期 | 12 | 32 | 44 | 56 | 20.5% |
| 2019年3月期 | 28 | 28 | 56 | 56 | 23.3% |
| 2020年3月期 | 28 | 28 | 56 | 56 | 32.7% |
| 2021年3月期 | 28 | 32 | 60 | 60 | 30.3% |
| 2022年3月期 | 30 | 50 | 80 | 80 | 23.6% |
| 2023年3月期 | 40 | 40 | 80 | 80 | 50.6% |
| 2024年3月期 | 40 | 45 | 85 | 85 | 47.2% |
| 2025年3月期 | 50 | 50 | 100 | 100 | 54.9% |
| 2026年3月期 | 50 | 50 | 100 | 100 | 75.5% |
| 2027年3月期(予) | 50 | 50 | 100 | 100 | – |
※2017年9月末の1:0.5株式併合
2027年3月期(予)の配当性向は業績予想未発表のため未記入
株主還元方針:2025~2027年度
・総還元性向50%を基本とする
年間1株100円(下限)配当を実施し、配当性向が50%未満であれば
自己株式取得により総還元性向を50%にする
・追加的株主還元として、3ヶ年で500億円の自己株式を取得する
25年度自己株式250億円取得、
残り250億円の取得については実施時期を検討とのこと
配当金は増加傾向にありますが、配当性向も増えている点には注意が必要
■業績推移
| 年度 | 売上(兆円) | 営利(億円) | 当期利益(億円) | EPS(円) |
| 2017年3月期 | 0.74 | 1112 | 757 | 233.12 |
| 2018年3月期 | 0.82 | 1306 | 888 | 273.49 |
| 2019年3月期 | 0.86 | 1057 | 781 | 240.62 |
| 2020年3月期 | 0.79 | 817 | 556 | 171.03 |
| 2021年3月期 | 0.73 | 878 | 633 | 197.89 |
| 2022年3月期 | 0.92 | 1440 | 1079 | 339.23 |
| 2023年3月期 | 1.06 | 746 | 503 | 158.14 |
| 2024年3月期 | 1.01 | 798 | 573 | 180.07 |
| 2025年3月期 | 1.06 | 989 | 580 | 182.13 |
| 2026年3月期 | 1.02 | 955 | 416 | 132.4 |
| 2027年3月期(予) | – | – | – | – |
※2027年3月期(予)業績予想未発表
中東情勢の悪化に伴い不確定要素が多いとのこと
2026/08/04 1Q決算発表予定(ここは注目!)
売上は横ばい〜微増の傾向。
営業利益は市況産業の影響で波があるが、
水処理とバイオサイエンスが利益を支えている。
2026年3月期の営業利益の約4割を稼いでいるのは、
連結子会社のオルガノです。
※東ソーはオルガノの株を約44%保有する親会社(持株法適用・連結)
■オルガノ[6368]
水処理装置・薬品等の製造販売を行う会社で、
電力、半導体向け純水製造装置に強みがあります。
オルガノは以下の理由で半導体銘柄として認識されているようです。
●半導体工場は超純水が大量に必要
●データセンターの冷却水処理も需要増
純水装置は導入後のメンテ・薬品供給が継続的に発生するため、
利益が安定しやすい
■バイオサイエンス
抗体医薬・核酸医薬の精製に使われる分離材が高利益。
分析装置(TSKgel)も世界的ブランド。
分離材は一度採用されると医薬品の製造工程を変えられないため、
10年以上使われ続けるストック型ビジネスです。
■東ソーの基礎素材の位置づけ
基礎素材は供給は止まらないのに需要は変動しやすいため、
価格が崩れやすい構造です。
2026年3月期、売上の45%が基礎素材ですが、利益はほぼ出ていません。
簡単に言うと、基礎素材は中国の不動産不況などを背景に需要減。
しかし生産設備は巨額投資で止められず、供給は硬直的。
さらに参入障壁が低く、一部地域では設備増設が続いている企業もあり、
供給が増えやすい構造になっています。
基礎素材は世界的に供給過多になりやすく価格競争も激しいため、
利益率が低くなりやすいコモディティ事業です。
そのため東ソーは「儲ける事業」ではなく
「誘導品を支える土台」として位置づけていると考えられます。
※基礎素材(オレフィン・塩ビ・苛性ソーダなど)は
誘導品(高付加価値製品)を作るための原料供給源。
市況が悪いと利益は消えますが、撤退すると誘導品の競争力が失われ、
会社のバリューチェーンが崩壊します。
そのため東ソーは、基礎素材を生き残るために維持する事業として
位置づけていると考えられます。
■財務状況(2026/3期)
●自己資本比率:59.0%
●総資産:1.41兆円
●純資産:9191億円
●有利子負債:2289億円
自己資本比率は59.0%は、財務的に優良です。
■投資判断とまとめ
東ソーはここ10年でみると、売上は増加傾向ですが、
営業利益は、伸びていません。
今後はオルガノを中心とした水処理事業や、
バイオサイエンスの成長が基礎素材の低迷をどこまで補えるかが、
投資判断のポイントになると考えています。
私の場合、既に含み益もあるので、
ゆっくり監視していこうと思っています。
100株は旧NISAなので、5年の期限がきたときに売却するか判断します。
私は配当利回り4%以上を購入目安としているため、
新規購入は考えていません。

コメント