■投資状況
●買付日:2024/12、2025/05(追加購入)
●保有株数:600株(うち400株はNISA)
●取得単価:1,905.5円
高配当かつ財務が安定している企業として注目し、
分散投資の一角として長期保有を目的に購入しました。
■会社概要
石油・天然ガスなどの資源開発から生産・販売までを一貫して
手がける総合エネルギー企業。
政府が「黄金株(重要議案の拒否権付き株)」を保有しており、
国家インフラの一翼を担う存在です。
■(株)INPEX(東証PRM、1605)の主な指標(2025/10/17現在)
● 株価 :2,653.5円
● PER : 8.51倍(割安水準)
● PBR : 0.69倍(割安水準)
● ROE : 8.11%(平均的水準)
● 1株配当(予想) :100.0円
● 配当利回り(予想) :3.77%(高配当)
● 時価総額:3兆3,411億円
高配当かつ割安水準。
エネルギー価格が落ち着く局面でも、為替や構造改革の効果で
安定的に高収益を維持している点が特徴です。
■株主優待
権利確定月 12月末日
QUOカード
400株以上
継続保有年数 1年以上:1,000円分
2年以上:2,000円分
3年以上:3,000円分
800株以上
継続保有年数 1年以上:2,000円分
2年以上:3,000円分
3年以上:5,000円分
私は2024年12月の権利確定後に購入したため、優待がもらえるのはまだ先。
気長に待ちたいと思います。
■配当金推移
年度 | 中間(円) | 期末(円) | 合計(円) | 配当性向(%) |
2017年3月期 | 9 | 9 | 18 | 56.9% |
2018年3月期 | 9 | 9 | 18 | 65.1% |
2019年3月期 | 9 | 15 | 24 | 36.5% |
2019年12月期 | 12 | 18 | 30 | 35.5% |
2020年12月期 | 12 | 12 | 24 | 赤字 |
2021年12月期 | 20 | 28 | 48 | 31.2% |
2022年12月期 | 30 | 32 | 62 | 17.0% |
2023年12月期 | 37 | 37 | 74 | 29.8% |
2024年12月期 | 43 | 43 | 86 | 24.9% |
2025年12月期(予) | 50 | 50 | 100 | 32.4% |
※2025年12月期の中間配当は実績
2020年は原油価格の急落により減配しましたが、その後は増配傾向を継続中。
INPEXの長期戦略「INPEX Vision 2035」では、以下の株主還元方針が示されています。
●2025〜2027年度(中計)
●年間配当:90円を起点とする累進配当
●総還元性向(配当+自社株買い):50%以上を目指す
●2028年度以降
●「アバディ」「イクシス拡張」など大型プロジェクトの投資期にも、
安定した株主還元を継続できる資金運用を目指す。
LNGなどの成長事業をベースに、配当政策も長期的な安定を重視しています。
■プロジェクト概要
●アバディ(インドネシア)
アラフラ海マセラ鉱区で進むLNG開発プロジェクト。
2030年代初頭の生産開始を目指し、2025〜2027年度中に最終投資決定(FID)を予定。
●イクシス(オーストラリア)
2018年から操業中のLNGプロジェクトで、INPEXの中核収益源。
2024年度は売上構成比17.2%ながら、利益の約6割(利益率62.8%)を
稼ぐほどの高採算事業です。
■業績推移
年度 | 売上(兆円) | 営利(兆円) | 当期利益(億円) |
2017年3月期 | 0.87 | 0.34 | 462 |
2018年3月期 | 0.93 | 0.36 | 404 |
2019年3月期 | 0.97 | 0.47 | 961 |
2019年12月期 | 1 | 0.5 | 1236 |
2020年12月期 | 0.77 | 0.25 | -1117 |
2021年12月期 | 1.24 | 0.59 | 2230 |
2022年12月期 | 2.32 | 1.5 | 4985 |
2023年12月期 | 2.16 | 1.11 | 3217 |
2024年12月期 | 2.27 | 1.27 | 4273 |
2025年12月期(予) | 2 | 1.09 | 3700 |
2020年は原油価格急落に伴う減損計上で赤字となりましたが、
2022年以降は円安とLNGの安定稼働により、安定した高収益を確保しています。
2026年3月期 第2四半期(2025/8/8発表)
●売上:前年比 ▲11.9%
●営業利益:前年比 ▲11.9%
●純利益:前年比 +5.1%
原油・天然ガス価格の下落で売上は減少しましたが、コスト削減と
税負担軽減により純利益は増加。
決算説明資料では「Profit Booster 500」という新たな戦略ワードも登場しました。
■Profit Booster 500とは
INPEXが2025年から開始する、年間500億円の利益押上げ施策。
為替差益や海外投資の優遇を活かし、10年間で累計5,000億円の利益貢献を見込んでいます。
主な内容:
1.イクシス有償減資による為替差益(200億円/年)
豪州現地資本を減らして日本へ還流 → 円換算で差益が発生。
円高時に投資していたため実現できるスキームです。
2.欧州・中東での投資インセンティブ(300億円/年)
税制優遇・補助金・契約上のボーナスなどを通じて利益貢献。
為替・油価変動に依存しない“第2の収益柱”として注目されています。
■財務状況(2025/3期)
●自己資本比率:65.3%
●総資産:7.38兆円
●純資産:5.14兆円
●有利子負債:1.06兆円
財務体質は極めて健全。
大型投資を進めながらも安定したバランスシートを維持しています。
■投資判断とまとめ
エネルギー価格や為替、地政学リスクなど外部要因は多いですが、
INPEXはそれらを吸収できる体力と、利益の安定化を図る仕組みを整えています。
高配当・割安・財務健全性の三拍子がそろった企業であり、
“守りながら増やす”タイプの長期投資銘柄として引き続き注目しています。
私自身、分散投資として、今後もじっくりと保有を続ける予定です。
💬 一言まとめ
外部環境に左右されやすい資源株の中で、INPEXは「安定した高配当」と
「構造的な利益強化」で一線を画す存在。
長期ポートフォリオの“土台”として最適な銘柄の一つかもしれません。
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